アスクルの物流倉庫の火事がようやく鎮圧したと聞きましたが、
近隣住民の不安を考えると本当に良かったと思います。
今朝の日経で、ヤマト運輸が、荷受量を抑制する検討に入ったニュースも
タイムリーだなと感じました。
労働組合が、ドライバーの人手不足などで慢性化している長時間労働の是正も含め、
今年の春闘の労使交渉で会社側に要求した、とのこと。
インターネット通販の拡大などを背景に宅配個数が増えていますが、
中継地点のサービスセンターからお客宅への「ラストワンマイル」の配送は、
主婦や自転車便などを使って、各社が何とか対応していますね。
高齢者や共働き世帯が増える中、日本中に配送される荷物の数は、
これからも増えるでしょう。
そんな中で、今回の火事やヤマト運輸のニュースは、
事業者と顧客が宅配サービスの価値について今一度考える契機としたほうが良いのかもしれません。
私もアマゾンを良く利用しますが、ほとんどの消費は、2,3日以内に届きますが、
本当に2,3日以内に必要なものはそんなにないです。
主に、本や掃除用品などですが、個人的には気づいたら届いていればいい商品です。
他社との競争に打ち勝つために、「早さ」「時間指定」をウリにするのは
理解できますが、「早さ」と「時間指定」を本当に求めているお客はどのくらいいるのかななんて思ったりします。
「そんなこと言ってたら、ビジネスでは勝てないよ」と言われそうですが・・・
業界の規制や構造の問題もあるのでしょうけど、共同出資で物流・配送の専門会社を
作り、ヤマト、佐川、日通などの商品をまとめて配送することができれば、日本を走り回るトラックもドライバーも少なくて済むと思いますが、安易な考えなのでしょうか?
繁忙期や配達日数に応じて、価格に差をつけてもいいと思いますが、
他社がそれをやらないので、出来ないというのでは、
業界全体が疲弊していきかねいないですね。
アメリカではウーバー(個人タクシー)を配送に使う動きも出てきているようですが、
それも道路を走る車の数を増やすことになります。そうすると、渋滞や事故も増える可能性がありますね。
市場経済ももちろん大事ですが、社会全体での最適化という視点も、
シェアリングエコノミーの時代には必要になると思います。
一企業がある時期に得た利益も、いろいろな利害関係者がからみ、
社会的コストがかさみ、巡り巡って自分の会社が負担するコストに
なることもあります。そういう事例が今、頻繁に表れています。
利益の追求→
成果の達成義務→
スピードの追及→
組織・オペレーションの改善で対応→
組織内キャパシティーを超える→
無理や不正をしてでも対応→
企業の損失→
社会の損失
こんな流れになっているのではないでしょうか?
サービスの価値を享受するのは顧客ですが、企業にはサービスの価値を創造し、
顧客に理解してもらう役割もあると思います。
Posted by 奥富 宏幸 at 16:31 | コンサルティング | この記事のURL | コメント (0) | トラックバック (0)
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